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ツールのインストール

Kubernetesのツールをローカルのコンピューター上にセットアップします。

kubectl

Kubernetesのコマンドラインツールkubectlを使用すると、Kubernetesクラスターに対してコマンドを実行できるようになります。 kubectlは、アプリケーションのデプロイ、クラスターリソースの調査と管理、ログの表示などに使用できます。 kubectlの操作の完全なリストを含む詳細については、kubectlのリファレンスドキュメントを参照してください。

kubectlはさまざまなLinuxプラットフォーム、macOS、Windows上にインストールできます。 下記の中から好きなオペレーティングシステムを選んでください。

kind

kindを使うと、ローカルのコンピューター上でKubernetesを実行することができます。 このツールはDockerPodmanのどちらかのインストールが必要です。

Quick Startに、kindの起動と実行に必要なことが書かれています。

kindのQuick Startのガイドを見る

minikube

kindと同じように、minikubeは、Kubernetesをローカルで実行するツールです。 minikubeはオールインワンまたはマルチノードのローカルKubernetesクラスターをパーソナルコンピューター上(Windows、macOS、Linux PCを含む)で実行することで、Kubernetesを試したり、日常的な開発作業のために利用できます。

ツールのインストールについて知りたい場合は、公式のGet Started!のガイドに従ってください。

minikubeのGet Started!のガイドを見る

minikubeが起動したら、サンプルアプリケーションの実行を試すことができます。

kubeadm

Kubernetesクラスターの作成、管理をするためにkubeadmツールを使用することができます。

最低限実行可能でセキュアなクラスタを、ユーザーフレンドリーな方法で稼働させるために必要なアクションを実行します。

kubeadmのインストールでは、kubeadmをインストールする方法を示しています。 一度インストールすれば、クラスターを作成するために使用できます。

kubeadmのインストールガイドを見る

1 - Linux上でのkubectlのインストールおよびセットアップ

始める前に

kubectlのバージョンは、クラスターのマイナーバージョンとの差分が1つ以内でなければなりません。 たとえば、クライアントがv1.30であれば、v1.29、v1.30、v1.31のコントロールプレーンと通信できます。 最新の互換性のあるバージョンのkubectlを使うことで、不測の事態を避けることができるでしょう。

Linuxへkubectlをインストールする

Linuxへkubectlをインストールするには、次の方法があります:

curlを使用してLinuxへkubectlのバイナリをインストールする

  1. 次のコマンドにより、最新リリースをダウンロードしてください:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/amd64/kubectl"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/arm64/kubectl"
       
  2. バイナリを検証してください(オプション)

    kubectlのチェックサムファイルをダウンロードします:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/amd64/kubectl.sha256"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/arm64/kubectl.sha256"
       

    チェックサムファイルに対してkubectlバイナリを検証します:

    echo "$(cat kubectl.sha256)  kubectl" | sha256sum --check
    

    正しければ、出力は次のようになります:

    kubectl: OK
    

    チェックに失敗すると、sha256は0以外のステータスで終了し、次のような出力を表示します:

    kubectl: FAILED
    sha256sum: WARNING: 1 computed checksum did NOT match
    
  3. kubectlをインストールしてください

    sudo install -o root -g root -m 0755 kubectl /usr/local/bin/kubectl
    
  4. インストールしたバージョンが最新であることを確認してください:

    kubectl version --client
    

    または、バージョンの詳細を表示するために次を使用します:

    kubectl version --client --output=yaml
    

ネイティブなパッケージマネージャーを使用してインストールする

  1. aptのパッケージ一覧を更新し、Kubernetesのaptリポジトリを利用するのに必要なパッケージをインストールしてください:

    sudo apt-get update
    # apt-transport-httpsはダミーパッケージの可能性があります。その場合、そのパッケージはスキップできます
    sudo apt-get install -y apt-transport-https ca-certificates curl gnupg
    
  2. Kubernetesパッケージリポジトリの公開署名キーをダウンロードしてください。 すべてのリポジトリに同じ署名キーが使用されるため、URL内のバージョンは無視できます:

    # `/etc/apt/keyrings`フォルダーが存在しない場合は、curlコマンドの前に作成する必要があります。下記の備考を参照してください。
    # sudo mkdir -p -m 755 /etc/apt/keyrings
    curl -fsSL https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.30/deb/Release.key | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/kubernetes-apt-keyring.gpg
    sudo chmod 644 /etc/apt/keyrings/kubernetes-apt-keyring.gpg # 特権のないAPTプログラムがこのkeyringを読めるようにします
    
  1. 適切なKubernetesのaptリポジトリを追加してください。 v1.30とは異なるKubernetesバージョンを利用したい場合は、以下のコマンドのv1.30を目的のマイナーバージョンに置き換えてください:

    # これにより、/etc/apt/sources.list.d/kubernetes.listにある既存の設定が上書きされます
    echo 'deb [signed-by=/etc/apt/keyrings/kubernetes-apt-keyring.gpg] https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.30/deb/ /' | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/kubernetes.list
    sudo chmod 644 /etc/apt/sources.list.d/kubernetes.list   # command-not-foundのようなツールが正しく動作するようにします
    
  1. aptのパッケージインデックスを更新し、kubectlをインストールしてください:

    sudo apt-get update
    sudo apt-get install -y kubectl
    

  1. Kubernetesのyumリポジトリを追加してください。 v1.30とは異なるKubernetesバージョンを利用したい場合は、以下のコマンドのv1.30を目的のマイナーバージョンに置き換えてください:

    # これにより、/etc/yum.repos.d/kubernetes.repoにある既存の設定が上書きされます
    cat <<EOF | sudo tee /etc/yum.repos.d/kubernetes.repo
    [kubernetes]
    name=Kubernetes
    baseurl=https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.30/rpm/
    enabled=1
    gpgcheck=1
    gpgkey=https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.30/rpm/repodata/repomd.xml.key
    EOF
    
  1. yumを使用してkubectlをインストールしてください:

    sudo yum install -y kubectl
    

  1. Kubernetesのzypperリポジトリを追加してください。 v1.30とは異なるKubernetesバージョンを利用したい場合は、以下のコマンドのv1.30を目的のマイナーバージョンに置き換えてください。

    # これにより、/etc/zypp/repos.d/kubernetes.repoにある既存の設定が上書きされます
    cat <<EOF | sudo tee /etc/zypp/repos.d/kubernetes.repo
    [kubernetes]
    name=Kubernetes
    baseurl=https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.30/rpm/
    enabled=1
    gpgcheck=1
    gpgkey=https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.30/rpm/repodata/repomd.xml.key
    EOF
    
  1. zypperを使用してkubectlをインストールしてください:

    sudo zypper install -y kubectl
    

他のパッケージマネージャーを使用してインストールする

Ubuntuまたはsnapパッケージマネージャーをサポートする別のLinuxディストリビューションを使用している場合、kubectlはsnapアプリケーションとして使用できます。

snap install kubectl --classic
kubectl version --client

LinuxでHomebrewパッケージマネージャーを使用している場合は、kubectlをインストールすることが可能です。

brew install kubectl
kubectl version --client

kubectlの設定を検証する

kubectlがKubernetesクラスターを探索し接続するために、kubeconfigファイルが必要です。 これは、kube-up.shによりクラスターを作成した際や、Minikubeクラスターを正常にデプロイした際に自動生成されます。 デフォルトでは、kubectlの設定は~/.kube/configに格納されています。

クラスターの状態を取得し、kubectlが適切に設定されていることを確認してください:

kubectl cluster-info

URLのレスポンスが表示されている場合は、kubectlはクラスターに接続するよう正しく設定されています。

以下のようなメッセージが表示されている場合は、kubectlは正しく設定されていないか、Kubernetesクラスターに接続できていません。

The connection to the server <server-name:port> was refused - did you specify the right host or port?

たとえば、ラップトップ上(ローカル環境)でKubernetesクラスターを起動するような場合、Minikubeなどのツールを最初にインストールしてから、上記のコマンドを再実行する必要があります。

kubectl cluster-infoがURLレスポンスを返したにもかかわらずクラスターにアクセスできない場合は、次のコマンドで設定が正しいことを確認してください:

kubectl cluster-info dump

エラーメッセージ'No Auth Provider Found'のトラブルシューティング

Kubernetes 1.26にて、kubectlは以下のクラウドプロバイダーが提供するマネージドKubernetesのビルトイン認証を削除しました。 これらのプロバイダーは、クラウド固有の認証を提供するkubectlプラグインをリリースしています。 手順については以下のプロバイダーのドキュメントを参照してください:

(この変更とは関係なく、他の理由で同じエラーメッセージが表示される可能性もあります。)

オプションのkubectlの設定とプラグイン

シェルの自動補完を有効にする

kubectlはBash、Zsh、Fish、PowerShellの自動補完を提供しています。 これにより、入力を大幅に削減することができます。

以下にBash、Fish、Zshの自動補完の設定手順を示します。

はじめに

Bashにおけるkubectlの補完スクリプトはkubectl completion bashコマンドで生成できます。 補完スクリプトをシェル内に読み込ませることでkubectlの自動補完が有効になります。

ただし、補完スクリプトはbash-completionに依存しているため、事前にインストールしておく必要があります(type _init_completionを実行することで、bash-completionがすでにインストールされていることを確認できます)。

bash-completionをインストールする

bash-completionは多くのパッケージマネージャーから提供されています(こちらを参照してください)。 apt-get install bash-completionまたはyum install bash-completionなどでインストールできます。

上記のコマンドでbash-completionの主要スクリプトである/usr/share/bash-completion/bash_completionが作成されます。 パッケージマネージャーによっては、このファイルを~/.bashrcにて手動で読み込ませる必要があります。

これを調べるには、シェルをリロードしてからtype _init_completionを実行してください。 コマンドが成功していればすでに設定済みです。そうでなければ、~/.bashrcファイルに以下を追記してください:

source /usr/share/bash-completion/bash_completion

シェルをリロードし、type _init_completionを実行してbash-completionが正しくインストールされていることを検証してください。

kubectlの自動補完を有効にする

Bash

次に、kubectl補完スクリプトがすべてのシェルセッションで読み込まれるように設定する必要があります。 これを行うには2つの方法があります:


echo 'source <(kubectl completion bash)' >>~/.bashrc


kubectl completion bash | sudo tee /etc/bash_completion.d/kubectl > /dev/null
sudo chmod a+r /etc/bash_completion.d/kubectl

kubectlにエイリアスを張っている場合は、エイリアスでも動作するようにシェルの補完を拡張することができます:

echo 'alias k=kubectl' >>~/.bashrc
echo 'complete -o default -F __start_kubectl k' >>~/.bashrc

どちらも同様の手法です。 シェルをリロードしたあとに、kubectlの自動補完が機能するはずです。 シェルの現在のセッションでbashの自動補完を有効にするには、~/.bashrcを読み込みます:

source ~/.bashrc

Fishにおけるkubectlの補完スクリプトはkubectl completion fishコマンドで生成できます。 補完スクリプトをシェル内に読み込ませることでkubectlの自動補完が有効になります。

すべてのシェルセッションで使用するには、~/.config/fish/config.fishに以下を追記してください:

kubectl completion fish | source

シェルをリロードしたあとに、kubectlの自動補完が機能するはずです。

Zshにおけるkubectlの補完スクリプトはkubectl completion zshコマンドで生成できます。 補完スクリプトをシェル内に読み込ませることでkubectlの自動補完が有効になります。

すべてのシェルセッションで使用するには、~/.zshrcに以下を追記してください:

source <(kubectl completion zsh)

kubectlにエイリアスを張っている場合でも、kubectlの自動補完は自動的に機能します。

シェルをリロードしたあとに、kubectlの自動補完が機能するはずです。

2: command not found: compdefのようなエラーが出力された場合は、以下を~/.zshrcの先頭に追記してください:

autoload -Uz compinit
compinit

kubectl convertプラグインをインストールする

異なるAPIバージョン間でマニフェストを変換できる、Kubernetesコマンドラインツールkubectlのプラグインです。 これは特に、新しいKubernetesのリリースで、非推奨ではないAPIバージョンにマニフェストを移行する場合に役に立ちます。 詳細については非推奨ではないAPIへの移行を参照してください。

  1. 次のコマンドを使用して最新リリースをダウンロードしてください:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/amd64/kubectl-convert"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/arm64/kubectl-convert"
       
  2. バイナリを検証してください(オプション)

    kubectl-convertのチェックサムファイルをダウンロードします:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/amd64/kubectl-convert.sha256"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/linux/arm64/kubectl-convert.sha256"
       

    チェックサムファイルに対してkubectl-convertバイナリを検証します:

    echo "$(cat kubectl-convert.sha256) kubectl-convert" | sha256sum --check
    

    正しければ、出力は次のようになります:

    kubectl-convert: OK
    

    チェックに失敗すると、sha256は0以外のステータスで終了し、次のような出力を表示します:

    kubectl-convert: FAILED
    sha256sum: WARNING: 1 computed checksum did NOT match
    
  3. kubectl-convertをインストールしてください

    sudo install -o root -g root -m 0755 kubectl-convert /usr/local/bin/kubectl-convert
    
  4. プラグインが正常にインストールできたことを確認してください

    kubectl convert --help
    

    何もエラーが表示されない場合は、プラグインが正常にインストールされたことを示しています。

  5. プラグインのインストール後、インストールファイルを削除してください:

    rm kubectl-convert kubectl-convert.sha256
    

次の項目

2 - macOS上でのkubectlのインストールおよびセットアップ

始める前に

kubectlのバージョンは、クラスターのマイナーバージョンとの差分が1つ以内でなければなりません。 たとえば、クライアントがv1.30であれば、v1.29、v1.30、v1.31のコントロールプレーンと通信できます。 最新の互換性のあるバージョンのkubectlを使うことで、不測の事態を避けることができるでしょう。

macOSへkubectlをインストールする

macOSへkubectlをインストールするには、次の方法があります:

curlを使用してmacOSへkubectlのバイナリをインストールする

  1. 最新リリースをダウンロードしてください:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/darwin/amd64/kubectl"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/darwin/arm64/kubectl"
       
  2. バイナリを検証してください(オプション)

    kubectlのチェックサムファイルをダウンロードします:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/darwin/amd64/kubectl.sha256"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/darwin/arm64/kubectl.sha256"
       

    チェックサムファイルに対してkubectlバイナリを検証します:

    echo "$(cat kubectl.sha256)  kubectl" | shasum -a 256 --check
    

    正しければ、出力は次のようになります:

    kubectl: OK
    

    チェックに失敗すると、shasumは0以外のステータスで終了し、次のような出力を表示します:

    kubectl: FAILED
    shasum: WARNING: 1 computed checksum did NOT match
    
  3. kubectlバイナリを実行可能にしてください。

    chmod +x ./kubectl
    
  4. kubectlバイナリをPATHの中に移動させてください。

    sudo mv ./kubectl /usr/local/bin/kubectl
    sudo chown root: /usr/local/bin/kubectl
    
  5. インストールしたバージョンが最新であることを確認してください:

    kubectl version --client
    

    または、バージョンの詳細を表示するために次を使用します:

    kubectl version --client --output=yaml
    
  6. kubectlをインストールし、検証した後は、チェックサムファイルを削除してください:

    rm kubectl.sha256
    

Homebrewを使用してmacOSへインストールする

macOSでHomebrewパッケージマネージャーを使用していれば、Homebrewでkubectlをインストールできます。

  1. インストールコマンドを実行してください:

    brew install kubectl
    

    または

    brew install kubernetes-cli
    
  2. インストールしたバージョンが最新であることを確認してください:

    kubectl version --client
    

MacPortsを使用してmacOSへインストールする

macOSでMacPortsパッケージマネージャーを使用していれば、MacPortsでkubectlをインストールできます。

  1. インストールコマンドを実行してください:

    sudo port selfupdate
    sudo port install kubectl
    
  2. インストールしたバージョンが最新であることを確認してください:

    kubectl version --client
    

kubectlの設定を検証する

kubectlがKubernetesクラスターを探索し接続するために、kubeconfigファイルが必要です。 これは、kube-up.shによりクラスターを作成した際や、Minikubeクラスターを正常にデプロイした際に自動生成されます。 デフォルトでは、kubectlの設定は~/.kube/configに格納されています。

クラスターの状態を取得し、kubectlが適切に設定されていることを確認してください:

kubectl cluster-info

URLのレスポンスが表示されている場合は、kubectlはクラスターに接続するよう正しく設定されています。

以下のようなメッセージが表示されている場合は、kubectlは正しく設定されていないか、Kubernetesクラスターに接続できていません。

The connection to the server <server-name:port> was refused - did you specify the right host or port?

たとえば、ラップトップ上(ローカル環境)でKubernetesクラスターを起動するような場合、Minikubeなどのツールを最初にインストールしてから、上記のコマンドを再実行する必要があります。

kubectl cluster-infoがURLレスポンスを返したにもかかわらずクラスターにアクセスできない場合は、次のコマンドで設定が正しいことを確認してください:

kubectl cluster-info dump

エラーメッセージ'No Auth Provider Found'のトラブルシューティング

Kubernetes 1.26にて、kubectlは以下のクラウドプロバイダーが提供するマネージドKubernetesのビルトイン認証を削除しました。 これらのプロバイダーは、クラウド固有の認証を提供するkubectlプラグインをリリースしています。 手順については以下のプロバイダーのドキュメントを参照してください:

(この変更とは関係なく、他の理由で同じエラーメッセージが表示される可能性もあります。)

オプションのkubectlの設定とプラグイン

シェルの自動補完を有効にする

kubectlはBash、Zsh、Fish、PowerShellの自動補完を提供しています。 これにより、入力を大幅に削減することができます。

以下にBash、Fish、Zshの自動補完の設定手順を示します。

はじめに

Bashにおけるkubectlの補完スクリプトはkubectl completion bashコマンドで生成できます。 補完スクリプトをシェル内に読み込ませることでkubectlの自動補完が有効になります。

ただし、補完スクリプトはbash-completionに依存しているため、事前にインストールしておく必要があります。

Bashのアップグレード

ここではBash 4.1以降の使用を前提としています。 Bashのバージョンは下記のコマンドで調べることができます:

echo $BASH_VERSION

バージョンが古い場合、Homebrewを使用してインストールもしくはアップグレードできます:

brew install bash

シェルをリロードし、希望するバージョンを使用していることを確認してください:

echo $BASH_VERSION $SHELL

Homebrewは通常、/usr/local/bin/bashにインストールします。

bash-completionをインストールする

type _init_completionを実行することで、bash-completionがすでにインストールされていることを確認できます。 ない場合は、Homebrewを使用してインストールすることができます:

brew install bash-completion@2

このコマンドの出力で示されたように、~/.bash_profileに以下を追記してください:

brew_etc="$(brew --prefix)/etc" && [[ -r "${brew_etc}/profile.d/bash_completion.sh" ]] && . "${brew_etc}/profile.d/bash_completion.sh"

シェルをリロードし、type _init_completionを実行してbash-completion v2が正しくインストールされていることを検証してください。

kubectlの自動補完を有効にする

次に、kubectl補完スクリプトがすべてのシェルセッションで読み込まれるように設定する必要があります。 これを行うには複数の方法があります:

  • 補完スクリプトを~/.bash_profile内で読み込ませる:

    echo 'source <(kubectl completion bash)' >>~/.bash_profile
    
  • 補完スクリプトを/usr/local/etc/bash_completion.dディレクトリに追加する:

    kubectl completion bash >/usr/local/etc/bash_completion.d/kubectl
    
  • kubectlにエイリアスを張っている場合は、エイリアスでも動作するようにシェルの補完を拡張することができます:

    echo 'alias k=kubectl' >>~/.bash_profile
    echo 'complete -o default -F __start_kubectl k' >>~/.bash_profile
    
  • kubectlをHomebrewでインストールした場合(前述の通り)、kubectlの補完スクリプトはすでに/usr/local/etc/bash_completion.d/kubectlに格納されているでしょうか。 この場合、なにも操作する必要はありません。

どの場合でも、シェルをリロードしたあとに、kubectlの自動補完が機能するはずです。

Fishにおけるkubectlの補完スクリプトはkubectl completion fishコマンドで生成できます。 補完スクリプトをシェル内に読み込ませることでkubectlの自動補完が有効になります。

すべてのシェルセッションで使用するには、~/.config/fish/config.fishに以下を追記してください:

kubectl completion fish | source

シェルをリロードしたあとに、kubectlの自動補完が機能するはずです。

Zshにおけるkubectlの補完スクリプトはkubectl completion zshコマンドで生成できます。 補完スクリプトをシェル内に読み込ませることでkubectlの自動補完が有効になります。

すべてのシェルセッションで使用するには、~/.zshrcに以下を追記してください:

source <(kubectl completion zsh)

kubectlにエイリアスを張っている場合でも、kubectlの自動補完は自動的に機能します。

シェルをリロードしたあとに、kubectlの自動補完が機能するはずです。

2: command not found: compdefのようなエラーが出力された場合は、以下を~/.zshrcの先頭に追記してください:

autoload -Uz compinit
compinit

kubectl convertプラグインをインストールする

異なるAPIバージョン間でマニフェストを変換できる、Kubernetesコマンドラインツールkubectlのプラグインです。 これは特に、新しいKubernetesのリリースで、非推奨ではないAPIバージョンにマニフェストを移行する場合に役に立ちます。 詳細については非推奨ではないAPIへの移行を参照してください。

  1. 次のコマンドを使用して最新リリースをダウンロードしてください:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/darwin/amd64/kubectl-convert"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/darwin/arm64/kubectl-convert"
       
  2. バイナリを検証してください(オプション)

    kubectl-convertのチェックサムファイルをダウンロードします:

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/darwin/amd64/kubectl-convert.sha256"
       

    
       curl -LO "https://dl.k8s.io/release/$(curl -L -s https://dl.k8s.io/release/stable.txt)/bin/darwin/arm64/kubectl-convert.sha256"
       

    チェックサムファイルに対してkubectl-convertバイナリを検証します:

    echo "$(cat kubectl-convert.sha256)  kubectl-convert" | shasum -a 256 --check
    

    正しければ、出力は次のようになります:

    kubectl-convert: OK
    

    チェックに失敗すると、shasumは0以外のステータスで終了し、次のような出力を表示します:

    kubectl-convert: FAILED
    shasum: WARNING: 1 computed checksum did NOT match
    
  3. kubectl-convertバイナリを実行可能にしてください。

    chmod +x ./kubectl-convert
    
  4. kubectl-convertバイナリをPATHの中に移動してください。

    sudo mv ./kubectl-convert /usr/local/bin/kubectl-convert
    sudo chown root: /usr/local/bin/kubectl-convert
    
  5. インストールしたバージョンが最新であることを確認してください

    kubectl convert --help
    

    何もエラーが表示されない場合は、プラグインが正常にインストールされたことを示しています。

  6. プラグインのインストール後、インストールファイルを削除してください:

    rm kubectl-convert kubectl-convert.sha256
    

macOS上のkubectlをアンインストールする

kubectlのインストール方法に応じて、次の方法を使用してください。

コマンドラインを使用してkubectlをアンインストールする

  1. システム上のkubectlバイナリの場所を特定してください:

    which kubectl
    
  2. kubectlバイナリを削除してください:

    sudo rm <path>
    

    <path>を前のステップのkubectlバイナリのパスに置き換えてください。 例えばsudo rm /usr/local/bin/kubectl

Homebrewを使用してkubectlをアンインストールする

Homebrewを使用してkubectlをインストールした場合は、次のコマンドを実行してください:

brew remove kubectl

次の項目

3 - Windows上でのkubectlのインストールおよびセットアップ

始める前に

kubectlのバージョンは、クラスターのマイナーバージョンとの差分が1つ以内でなければなりません。 たとえば、クライアントがv1.30であれば、v1.29、v1.30、v1.31のコントロールプレーンと通信できます。 最新の互換性のあるバージョンのkubectlを使うことで、不測の事態を避けることができるでしょう。

Windowsへkubectlをインストールする

Windowsへkubectlをインストールするには、次の方法があります:

curlを使用してWindowsへkubectlのバイナリをインストールする

  1. 最新の1.30のパッチリリースをダウンロードしてください: kubectl 1.30.0

    または、curlがインストールされていれば、次のコマンドも使用できます:

    curl.exe -LO "https://dl.k8s.io/release/v1.30.0/bin/windows/amd64/kubectl.exe"
    
  2. バイナリを検証してください(オプション)

    kubectlのチェックサムファイルをダウンロードします:

    curl.exe -LO "https://dl.k8s.io/v1.30.0/bin/windows/amd64/kubectl.exe.sha256"
    

    チェックサムファイルに対してkubectlバイナリを検証します:

    • コマンドプロンプトを使用して、CertUtilの出力とダウンロードしたチェックサムファイルを手動で比較します:

      CertUtil -hashfile kubectl.exe SHA256
      type kubectl.exe.sha256
      
    • PowerShellにて-eqオペレーターを使用して自動で検証を行い、TrueまたはFalseで結果を取得します:

       $(Get-FileHash -Algorithm SHA256 .\kubectl.exe).Hash -eq $(Get-Content .\kubectl.exe.sha256)
      
  3. kubectlバイナリのフォルダーをPATH環境変数に追加します。

  4. kubectlのバージョンがダウンロードしたものと同じであることを確認してください:

    kubectl version --client
    

    または、バージョンの詳細を表示するために次を使用します:

    kubectl version --client --output=yaml
    

Chocolatey、Scoopまたはwingetを使用してWindowsへインストールする

  1. Windowsへkubectlをインストールするために、ChocolateyパッケージマネージャーやScoopコマンドラインインストーラー、wingetパッケージマネージャーを使用することもできます。

    choco install kubernetes-cli
    

    scoop install kubectl
    

    winget install -e --id Kubernetes.kubectl
    
  2. インストールしたバージョンが最新であることを確認してください:

    kubectl version --client
    
  3. ホームディレクトリへ移動してください:

    # cmd.exeを使用している場合はcd %USERPROFILE%を実行してください。
    cd ~
    
  4. .kubeディレクトリを作成してください:

    mkdir .kube
    
  5. 作成した.kubeディレクトリへ移動してください:

    cd .kube
    
  6. リモートのKubernetesクラスターを使うために、kubectlを設定してください:

    New-Item config -type file
    

kubectlの設定を検証する

kubectlがKubernetesクラスターを探索し接続するために、kubeconfigファイルが必要です。 これは、kube-up.shによりクラスターを作成した際や、Minikubeクラスターを正常にデプロイした際に自動生成されます。 デフォルトでは、kubectlの設定は~/.kube/configに格納されています。

クラスターの状態を取得し、kubectlが適切に設定されていることを確認してください:

kubectl cluster-info

URLのレスポンスが表示されている場合は、kubectlはクラスターに接続するよう正しく設定されています。

以下のようなメッセージが表示されている場合は、kubectlは正しく設定されていないか、Kubernetesクラスターに接続できていません。

The connection to the server <server-name:port> was refused - did you specify the right host or port?

たとえば、ラップトップ上(ローカル環境)でKubernetesクラスターを起動するような場合、Minikubeなどのツールを最初にインストールしてから、上記のコマンドを再実行する必要があります。

kubectl cluster-infoがURLレスポンスを返したにもかかわらずクラスターにアクセスできない場合は、次のコマンドで設定が正しいことを確認してください:

kubectl cluster-info dump

エラーメッセージ'No Auth Provider Found'のトラブルシューティング

Kubernetes 1.26にて、kubectlは以下のクラウドプロバイダーが提供するマネージドKubernetesのビルトイン認証を削除しました。 これらのプロバイダーは、クラウド固有の認証を提供するkubectlプラグインをリリースしています。 手順については以下のプロバイダーのドキュメントを参照してください:

(この変更とは関係なく、他の理由で同じエラーメッセージが表示される可能性もあります。)

オプションのkubectlの設定とプラグイン

シェルの自動補完を有効にする

kubectlはBash、Zsh、Fish、PowerShellの自動補完を提供しています。 これにより、入力を大幅に削減することができます。

以下にPowerShellの自動補完の設定手順を示します。

PowerShellにおけるkubectlの補完スクリプトはkubectl completion powershellコマンドで生成できます。

すべてのシェルセッションでこれを行うには、次の行を$PROFILEファイルに追加します。

kubectl completion powershell | Out-String | Invoke-Expression

このコマンドは、PowerShellを起動する度に自動補完のスクリプトを再生成します。 生成されたスクリプトを直接$PROFILEファイルに追加することもできます。

生成されたスクリプトを$PROFILEファイルに追加するためには、PowerShellのプロンプトで次の行を実行します:

kubectl completion powershell >> $PROFILE

シェルをリロードした後、kubectlの自動補完が機能します。

kubectl convertプラグインをインストールする

異なるAPIバージョン間でマニフェストを変換できる、Kubernetesコマンドラインツールkubectlのプラグインです。 これは特に、新しいKubernetesのリリースで、非推奨ではないAPIバージョンにマニフェストを移行する場合に役に立ちます。 詳細については非推奨ではないAPIへの移行を参照してください。

  1. 次のコマンドを使用して最新リリースをダウンロードしてください:

    curl.exe -LO "https://dl.k8s.io/release/v1.30.0/bin/windows/amd64/kubectl-convert.exe"
    
  2. バイナリを検証してください(オプション)。

    kubectl-convertのチェックサムファイルをダウンロードします:

    curl.exe -LO "https://dl.k8s.io/v1.30.0/bin/windows/amd64/kubectl-convert.exe.sha256"
    

    チェックサムファイルに対してkubectl-convertバイナリを検証します:

    • コマンドプロンプトを使用して、CertUtilの出力とダウンロードしたチェックサムファイルを手動で比較します:

      CertUtil -hashfile kubectl-convert.exe SHA256
      type kubectl-convert.exe.sha256
      
    • PowerShellにて-eqオペレーターを使用して自動で検証を行い、TrueまたはFalseで結果を取得します:

      $($(CertUtil -hashfile .\kubectl-convert.exe SHA256)[1] -replace " ", "") -eq $(type .\kubectl-convert.exe.sha256)
      
  3. kubectl-convertバイナリのフォルダーをPATH環境変数に追加します。

  4. プラグインが正常にインストールされたことを確認してください。

    kubectl convert --help
    

    何もエラーが表示されない場合は、プラグインが正常にインストールされたことを示しています。

  5. プラグインのインストール後、インストールファイルを削除してください:

    del kubectl-convert.exe
    del kubectl-convert.exe.sha256
    

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