コンピュート、ストレージ、ネットワーキングの拡張機能
このセクションでは、Kubernetes自体の一部としては提供されていない、クラスターへの拡張について説明します。
これらの拡張を使用して、クラスター内のノードを強化したり、Pod同士をつなぐネットワークファブリックを提供したりすることができます。
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CSIおよびFlexVolumeストレージプラグイン
Container Storage Interface (CSI)プラグインは、新しい種類のボリュームをサポートするためのKubernetesの拡張方法を提供します。
これらのボリュームは、永続性のある外部ストレージにバックアップすることができます。また、一時的なストレージを提供することも、ファイルシステムのパラダイムを使用して、情報への読み取り専用のインターフェースを提供することもできます。
Kubernetesには、Kubernetes v1.23から非推奨とされている(CSIに置き換えられる)FlexVolumeプラグインへのサポートも含まれています。
FlexVolumeプラグインは、Kubernetesがネイティブにサポートしていないボリュームタイプをマウントすることをユーザーに可能にします。
FlexVolumeストレージに依存するPodを実行すると、kubeletはバイナリプラグインを呼び出してボリュームをマウントします。
アーカイブされたFlexVolumeデザインの提案には、このアプローチの詳細が記載されています。
Kubernetes Volume Plugin FAQ for Storage Vendorsには、ストレージプラグインに関する一般的な情報が含まれています。
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デバイスプラグイン
デバイスプラグインは、ノードが(cpu
やmemory
などの組み込みノードリソースに加えて)新しいNode設備を発見し、これらのカスタムなノードローカル設備を要求するPodに提供することを可能にします。
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ネットワークプラグイン
ネットワークプラグインにより、Kubernetesはさまざまなネットワーキングのトポロジーや技術を扱うことができます。
動作するPodネットワークを持ち、Kubernetesネットワークモデルの他の側面をサポートするためには、Kubernetesクラスターに ネットワークプラグイン が必要です。
Kubernetes 1.30は、CNIネットワークプラグインと互換性があります。
1 - ネットワークプラグイン
Kubernetes 1.30は、クラスターネットワーキングのためにContainer Network Interface (CNI)プラグインをサポートしています。
クラスターと互換性があり、需要に合ったCNIプラグインを使用する必要があります。
様々なプラグイン(オープンソースあるいはクローズドソース)が幅広いKubernetesエコシステムで利用可能です。
Kubernetesネットワークモデルを実装するには、CNIプラグインが必要です。
v0.4.0以降のCNI仕様のリリースと互換性のあるCNIプラグインを使用する必要があります。
Kubernetesプロジェクトは、v1.0.0のCNI仕様と互換性のあるプラグインの使用を推奨しています(プラグインは複数の仕様のバージョンに対応できます)。
インストール
ネットワーキングの文脈におけるコンテナランタイムは、ノード上のデーモンであり、kubelet向けのCRIサービスを提供するように設定されています。
特に、コンテナランタイムは、Kubernetesネットワークモデルを実装するために必要なCNIプラグインを読み込むように設定する必要があります。
備考:
Kubernetes 1.24以前は、CNIプラグインはcni-bin-dir
やnetwork-plugin
といったコマンドラインパラメーターを使用してkubeletによって管理することもできました。
これらのコマンドラインパラメーターはKubernetes 1.24で削除され、CNIの管理はkubeletの範囲外となりました。
dockershimの削除に伴う問題に直面している場合は、CNIプラグイン関連のエラーのトラブルシューティングを参照してください。
コンテナランタイムがCNIプラグインをどのように管理しているかについての具体的な情報については、そのコンテナランタイムのドキュメントを参照してください。
例えば:
CNIプラグインのインストールや管理方法についての具体的な情報については、そのプラグインまたはネットワーキングプロバイダーのドキュメントを参照してください。
ネットワークプラグインの要件
ループバックCNI
Kubernetesネットワークモデルを実装するためにノードにインストールされたCNIプラグインに加えて、Kubernetesはコンテナランタイムにループバックインターフェースlo
を提供することも要求します。
これは各サンドボックス(Podサンドボックス、VMサンドボックスなど)に使用されます。
ループバックインターフェースの実装は、CNIループバックプラグインを再利用するか、自分で実装することで達成できます(例: CRI-Oを用いた例)。
hostPortのサポート
CNIネットワーキングプラグインはhostPort
をサポートしています。
CNIプラグインチームが提供する公式のportmapプラグインを使用するか、ポートマッピング(portMapping)機能を持つ独自のプラグインを使用できます。
hostPort
サポートを有効にする場合、cni-conf-dir
でportMappings capability
を指定する必要があります。
例:
{
"name": "k8s-pod-network",
"cniVersion": "0.4.0",
"plugins": [
{
"type": "calico",
"log_level": "info",
"datastore_type": "kubernetes",
"nodename": "127.0.0.1",
"ipam": {
"type": "host-local",
"subnet": "usePodCidr"
},
"policy": {
"type": "k8s"
},
"kubernetes": {
"kubeconfig": "/etc/cni/net.d/calico-kubeconfig"
}
},
{
"type": "portmap",
"capabilities": {"portMappings": true},
"externalSetMarkChain": "KUBE-MARK-MASQ"
}
]
}
トラフィックシェーピングのサポート
これは実験的な機能です
CNIネットワーキングプラグインは、Podの入出力トラフィックシェーピングにも対応しています。
CNIプラグインチームが提供する公式のbandwidthプラグインを使用するか、帯域制御機能を持つ独自のプラグインを使用できます。
トラフィックシェーピングのサポートを有効にする場合、bandwidth
プラグインをCNIの設定ファイル(デフォルトは/etc/cni/net.d
)に追加し、バイナリがCNIのbinディレクトリ(デフォルトは/opt/cni/bin
)に含まれていることを確認する必要があります。
{
"name": "k8s-pod-network",
"cniVersion": "0.4.0",
"plugins": [
{
"type": "calico",
"log_level": "info",
"datastore_type": "kubernetes",
"nodename": "127.0.0.1",
"ipam": {
"type": "host-local",
"subnet": "usePodCidr"
},
"policy": {
"type": "k8s"
},
"kubernetes": {
"kubeconfig": "/etc/cni/net.d/calico-kubeconfig"
}
},
{
"type": "bandwidth",
"capabilities": {"bandwidth": true}
}
]
}
これでPodにkubernetes.io/ingress-bandwidth
とkubernetes.io/egress-bandwidth
のアノテーションを追加できます。
例:
apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
annotations:
kubernetes.io/ingress-bandwidth: 1M
kubernetes.io/egress-bandwidth: 1M
...
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